封印された指導方法

2010年11月24日

今日はちょびっと専門的な話(@_@;)

バングラデシュには国定教科書があるものの、内容はかなり酷いものがあります。
そこでJICAでは補助教材としての指導案集(TP)を作成し、授業力向上を目指しています。
そしてTPは教育省の方針としても全国的に普及が進められています。


で、TPの中身の方なんですが、1年生で(1位数)+(1位数)の繰り上がりの指導方法が完全に抜けています。繰り下がりにしても同様です。
例えば9+3の場合、日本では3を1と2に分け、9と1で10のまとまりをつくり、10と2で12という風に計算します。
「10で繰り上がる」ということの基礎であり、十進位取り記数法の計算において、かなり重要な部分です。
しかし、ここでは20以下の計算は日本で考えるような繰り上がり(繰り下がり)ととらえていないようです。
9+3の場合、9より3大きいから、9,10,11,12で、12が答えになるということです。


JICAもTP作成段階にかなり揉めたということです。
どちらの計算方法が良いかは別として、9+3の部分に全く触れていないということは、JICA、バングラデシュ教育省、お互いの意地がぶつかった感じでしょうか?
まさに封印された指導方法です。
現場としては困りますけど!!!!


そして今、新しい壁にぶつかっています。
今回2年生における「繰り上がりのある足し算の筆算」をワークショップの模範授業で行うことに決まりました。
ただ教科書では(2位数)+(1位数)で繰り上がりのある足し算の筆算を導入しています。
日本では(2位数)+(2位数)が一般的です。一の位、十の位と分けて計算する時、(2位数)+(1位数)では十の位の計算時、0の概念が入ってしまい、困難になると考えるからです。
この点においてはTPでも(2位数)+(2位数)を取り扱っています。
理論的にもどう考えてもそれがベターだと思います。


しかし、ここで大きな壁が…
バングラデシュではTPが普及してると言っても、まだまだ教科書信仰心が根強いということです。
教科書丸暗記の教育もこの部分が深く影響していると思います。
「コーランにこう書いてあるから、こうなんだ!」っていうのに近いのかもしれません…(^^ゞ


まあ先に書いたように、十進位取り記数法の計算の下地が不十分なので、単純に2位数に1位数を加えていくっていう方法もありなのかもしれません。
数え主義がいちがいに悪いとは言えませんが、もう少し量で数をとらえられれば…
もう少し系統性がしっかりしていれば…


ん~  


結果的にバングラデシュの現在の状況から、教科書ベースで進めることに。 
矛盾だらけの授業になるかもしれません。
自分にもっと知識があれば他の方法もあったんじゃないか…
苦渋の決断です…
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by kagosima1023 | 2010-11-25 00:29 | 活動


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